「ベイツ・モーテル」通信 Vol.2

この人なくして「ベイツ・モーテル」は生まれなかった!
“サスペンスの神様”アルフレッド・ヒッチコックとは?

「ベイツ・モーテル」を語るには『サイコ』から、そして『サイコ』を語るにはアルフレッド・ヒッチコックから。没後35年が経過し、「ヒッチコックって誰?」という世代も増えてきた今、あらためて“サスペンスの神様”について紹介いたします!

アルフレッド・ヒッチコックは1899年イギリス生まれの映画監督。『めまい』(58年)・『サイコ』(60年)・『鳥』(63年)など、現在でも映画史に燦然と輝く名作を多数生み出した。
さらに、スティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノ、ギレルモ・デル・トロ、ブライアン・デ・パルマなど、名だたる監督がこぞってヒッチコックから受けた影響を公言。
そして、撮影手法でも、スピルバーグが『めまい』に登場する通称“めまいショット(ドリーズーム)”を『ジョーズ』で使い、スコセッシが『サイコ』のシャワーシーンを参考にして『レイジング・ブル』のボクシングシーンを撮ったことも有名だ。

また、デジタルでの加工が可能になった今でこそ『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のように全編1カットの作品は珍しくなくなったが、最長撮影時間10分という限界があったフィルムの時代、1948年にヒッチコックは『ロープ』ですでに全編1カット(に見える)作品を実現しているのも特筆すべきことだろう。

ヒッチコックの撮影方法やサスペンス的な演出は、現代の様々な作品に息づいている。そして、それはもちろん『サイコ』の前日譚である「ベイツ・モーテル」にも。剥製やシャワールームなど『サイコ』への物理的な伏線だけでなく、見つかりそうで見つからないギリギリの展開や陰影の濃い照明など、“神様”から受け継いだサスペンス描写が、「ベイツ・モーテル」をスリリングに盛り上げる!